ガッカリする前によ~く考えて
小6も夏以降の志望校判定で悪いのが出たら、
「本番でなくて良かった!」
こう思っていかなくちゃいけません。
いっとき「最後の最後でなんなの、これは!?」と思ったとしても、その怒りを子供についぶつけてしまって家庭内が暗い感じなったとしても、そのあとから切り替えなくちゃいけない。
歯を食いしばってね。
まずは親が。そして子供に「本番でなくて良かった!」と心から言わなくちゃならない、心を整理して。
「やっぱダメか・・・・」で沈んで諦めていく連中も多数いるわけですが、これから受験までの期間で子供たちはもっと伸びます。
1ヶ月で劇的に変わることだってあるわけですから、諦めるのはもったいない。3年も2年も頑張ってきて、残り1ヶ月で諦めるのはね。それなら2年も3年も頑張る必要はなかったわけですし。
劇的に子供が変わるのは意識ですね。
不安を不安のまま置いておくのではなくて、少し角度を変えてみると、急に可能性が浮上します。先が見えないことは反対に何でもありかもしれません。くさらず、悩まず、不安を受け入れ、むしろ楽しみ、一気に勝負しましょう!#俵越山 pic.twitter.com/dBxcXCZJSv
— ほぼ毎日タワラの書 (@etsuzan_tawara) 2014, 11月 14
どう挽回していくかを考える
この時期に「0」からスタートしていたんでは、受験には間に合わないわけですが、今まで頑張ってもきて、蓄積があり、基礎もやってきた方には、意識が変わることで劇的に子供が変わっていくことを経験できるかもしれません。そのためにはある程度の時間がいります。今まで勉強してきたことの再構築のためにですね。
ただ、週に5回塾があってとなれば、家庭で頑張る時間があまりないというのが現状でしょう。志望校の判定もよく、授業のお土産もある状態なら、週5回でも週7回でも塾に行ったらイイ。塾に泊まってもイイです!
しかし、ここにきての志望校判定テストでの急落は、授業を受けるだけで回復できるのか。
ここですよね。
小6の方からのメールを紹介します。
小6 祈りさん
・・・11月の実力テストで大きく偏差値を落としました。先週の日曜日には塾の勧めもあり、塾外の模試を受けました。結果も思わしくありません。
苦手だった算数で僅かずつ点数が取れるようになってきた一方で、得意だった国語社会で点が取れず、理科が急降下しているためです。結果を見ると、国語社会については2月1日の受験校を志望している集団の中では真ん中でした。
算数は、最初の計算で4問も落としているのが偏差値を下げている原因です。一行問題とその後の大問のいくつかと大問の(1)問題は取れているのに、なぜ計算問題でミスをするのか?
4点×4=16点アップすれば、国語社会と同じように2月1日の受験校を志望している集団の平均にはなります。まだ可能性はあると考えていいのではないかと思います。
問題は、理科の低迷です。9月ぐらいまでは算数に比べれば得点できていたのが、ここに来て落ち込みが激しくなってしまいました。ただし、家で落ち着いて解き直しをすると、知識はあるのでそれなりに出来てしまいます。その場で、問題文を読み取って答えていく訓練ができていないのだと思います。
11月になっての総合偏差値の落ち込みの原因は、算数に時間をかけてやってきて他に手が回らなかったツケです。予想はしていたものの、やはり動揺します。
今の算数の学習ペースをそのままに、他教科のテコ入れをするための時間を確保するために平日の塾を休ませたいと考えています。しかし、塾の先生から「授業を大切にしてください。」という電話がかかってくると、それは全くの正論であるわけですから心が揺れます。塾の先生に申し訳ないとも思いますし、子供に逃げ場を与えているのではとも思います。
しかし、土曜日曜の塾には出ますし、この12月中の平常6回分をお休みするだけです。まだ終わっていない過去問を解きながら、2月1日校に的を絞った学習をしていこうと思っています。
特に、気になるのは国語の読解の難易度が塾の内容と全く違う点です。知識については、例年同じ傾向の問題が出題されると分かっているので、出題される単元に絞った対策をしたいと思っています。(国語と社会の過去問では、合格者平均点以上がとれています。算数理科を補うため、ここを更なる得点源にしていかなくてはなりません。)
問題の理科は、過去問で5割ちょっとしか点が取れません。過去問でできなかった単元を3日間ずつかけて復習しながら、この12月で得点力を上げていくために、平日に5日間連続して家庭学習をする時間が欲しいのです。
12月中で30時間が確保できます。
たぶん、ストロング先生のお話の中に、この時期は塾を休んででも…というお話がなければ、塾を休むという発想すら思いつかなかったと思います。
しかし、実行に移すとなると躊躇します。正直な話、ちょっと背中を押して欲しいのですが、どのようにお考えでしょうか。
お子さんのテスト結果を点数でだけでなく、内容できちんと見られていることがわかると思います。やらなければならないこともわかっている。
あとは時間というわけです。
最初にこの時期の子供の意識が変わると子供は劇的に変わることがあると書きました。祈りさんの場合でいえば、算数の計算で結構な点数を落としているところなんかは、すぐに直せばすぐに得点アップ、得点源になる部分。
受験生はみんな計算はできる。ただちゃんと途中式を書いていないんですな、間違える子供は。テストの計算問題のすぐ下の余白を見てみればそれはすぐわかる。筆算やら、計算したことがごちゃごちゃかいてあって、それで間違う場合が非常に多いですよね。
この場合、計算頑張れ!とか毎日計算問題を10問ずつしようとかテストでは計算をもう1回解きなさい!などは、改善にならない場合が多い。子供は頑張って計算しているし、慎重にもしているんですから。ましてや今更計算問題を毎日10問して、これが改善されるかといえば、たぶん改善しない。
それよりは、書き方を改善する。筆算は余白の右側によせて丁寧にやる。筆算したら、その結果を丁寧に式の下に書く。
そのほうがすぐに良くなる。
先日見たテストでは1番の計算、8問中4問落としている。もうそれだけでアウト!!
で、見たら、まさにここまで書いてきたような途中の式も筆算も入り交じってごちゃごちゃ余白に書いている。筆算は右側にねじれて書いてあり、その結果繰り下がりを間違っている。
こういう子供には計算頑張れ!というよりは、余白の使い方、途中式と筆算をちゃんと分けて書くなどを言ってあげてほうがすぐ変わる。
祈りさんの場合は、算数を重点おいてやっているわけですから、普段の文章題でも図形でも、それらをやれば計算しなくちゃならないことがあるでしょう。その計算をするときに、きちんと書いてやる訓練をすればイイ。それだけでミスは減るわけですから。それをしないで、丁寧にとか言っても、改善されません。
そこですよね。
計算はできるはずなんだけど、テストで間違う子供の95%は計算の過程をどう書くか。そこです。これはこれからの普段の勉強の中で日々の勉強の中で毎日気をつけてやれば対策になるでしょう。
→ 【お母さんからの相談】子供の勉強をそばで見ているが、いつもバトルになってしまう
祈りさんの話で言えば、もう1つ時間の問題ですね。祈りさんの問題点は、特にこの時期に成績が急落する生徒に共通している部分があります。
この部分ですね。祈りさんはちゃんと自覚しています。
問題は、理科の低迷です。9月ぐらいまでは算数に比べれば得点できていたのが、ここに来て落ち込みが激しくなってしまいました。
ただし、家で落ち着いて解き直しをすると、知識はあるのでそれなりに出来てしまいます。その場で、問題文を読み取って答えていく訓練ができていないのだと思います。
11月になっての総合偏差値の落ち込みの原因は、算数に時間をかけてやってきて他に手が回らなかったツケです。
そんなに勉強時間を使っていないのに、そこそこできた科目、いけるかなと安心していた科目がこの時期に対応できなくなるわけですね。
簡単に言えば、やっていなかったら下がったということ。もっといえば、夏にやったことはこの時期には忘れてしまったということでしょう。全部忘れたわけじゃないけれど、大きな穴が空いている。
だから、応用問題を落としているというよりは、基本を落とす。前はできていたのに・・・・とかね。
祈りさんは、知識はあるが、
問題文を読み取って答えていく訓練ができていない
と分析しておられます。
理科の演習不足というわけです。だから、やれば解消する可能性はある。先日話した方も祈りさんとほぼ同じ現象が出ていました。
計算のミスと理科社会の急落です。その方は、夏休み明けから理科社会が少しずつ落ち始めて、最後の志望校判定で「ゲェー」という結果が出た。第一志望校も合格圏内だったのに、最後のテストでは第2志望校もB判定。他塾のテストでは第2志望校がC判定で、ボーダー以下に。
泣きたくなる・・・・その上、塾は週5回ある。
今の状態では、塾の内容を復習として2回やるのが精一杯で、時間がない。
どうしましょうか?と。
→ 【お母さんからの相談】受験まで時間がなく早くなんとかしたい。
結論だけ書けば、その方は、4日間、集中してやることになった。その方の場合、夏以降の復習をまずはやろうということで夏休みのテキストをみると、理科がまとめ13単元、社会も同じく13単元、合計で26単元です。
入試演習をやるにしても、もう1回総ざらいをしてからのほうがいいだろうということになりました。夏休みのテキストはまとめですから1単元の量が多い。問題だけで10ページとかあるんですな・・・
社会も「工業」とか「農業」とかまとまっているし、歴史はたった4回に分かれているだけ。夏休みにやった際にかかった時間がテキストに書いてある。
それを見ると、1単元1時間で、26単元あるから単純に26時間と計算できました。
このあたりの時間は祈りさんと同じで、
この12月で得点力を上げていくために、平日に5日間連続して家庭学習をする時間が欲しいのです。
12月中で30時間が確保できます。
祈りさんは、通常の勉強に加えて、プラス30時間と考えておられます。
この方も、26単元を26時間でプラス4時間は調整と夏休みのテストをもう1回やる時間と考えて30時間と言われていました。
違うのは、
祈りさんの場合は12月中に30時間
とされていましたが、
この方は4日で30時間
ここだけです。
もちろん、この方の場合、土日を含めていますので、小学校を2日休むことになり、塾も休んだ。
学校を休むことに対しては、賛否あると思います。賛否は議論しても仕方がないので、皆さん自身が判断してください。
実際、この方のお子さんは学校が大好き!なにがあっても休みたくない子供だそうで、来年入試が始まっても、1日も休まない!と宣言していたとか。
しかし、ここに来ても、成績の急落。危機感満点の判定。
このまま時間がないけど、仕方ない、ある時間でやるか
それとも、
一発逆転、基礎はあるから、もう1回空いた穴をふさぐべく、時間を思い切って取るか。
話をしていて、危機感も相当で、お子さんの勉強内容やテストの分析もきちんとしていらしたので、私は、学校を休んだら、丸1日ありますよ!って言ったんです。
「今まで十分学校も行ったし、楽しんだ。同級生とはお別れですよ。違う道を進むんです。」
「どっちの道がいいとか悪いとか言ってるんじゃない。違う道に進むなら、そしてこの危機を危機として認識するなら、劇的に変化をつけて、もう1回勢いをつけたいなら、今までと違う形で、あなたの家ではやってこなかった手法でやるのも1つの手だと思いますよ。」
「差し出すものは差し出して、受け取るものを受け取れ」と。こう申し上げました。
「意識」を変えなきゃいけないわけですから。そして、これによって、本当の意味で尻に火をつける意味もある。非常事態なんだと子供に告げる意味もある。
この方は、先に書いたお子さんの学校への思いを知っておられたので、お子さんと話し合ったそうです。
子供だって、今まで大丈夫と思っていた第一志望校が全然ダメで、第2志望校まで危ういという危機感があったのでしょう。結局、4日間の「短期合宿」の実施となったのでした。
やばい!もうダメだ!の道もあれば、やばい!本番でなくて良かった!の道もある。
30時間の作り方も、1ヶ月で30時間もあれば、4日で30時間もある。
この方は、1日10時間、計40時間をやり、30時間で理科社会の復習を、残り10時間で算数国語をやったようです。
もし相談すれば、
小学校は「子供が子供らしくいられるためにぜひ来させて下さい」と言うでしょう。塾に相談すれば、当然「授業を大切にして下さい」と言うでしょう。
学校や塾を休んだからといって、成績が元に戻ったり、ぐんぐん伸びたりはしないのかもしれない。それぞれの立場と思いがありますから。ましてや、学校や塾を休んだからといって、絶対に保証される結果もない。
ただ1つの転換点として、休むという行為があるだけ。
後悔しない受験にしよう
私が受験生の親に言っているのは、
後悔しない受験にしましょうね!
ってこと。
あのとき、ああしておけば良かった、こうしておけば良かったなんて言うことがないように、考えて、話し合って、決断して、本気で取りかかりましょう!と。
それが学校や塾を休まない!という決断であれば、もちろんそれでイイ。ちゃんと話し合って、納得できる形、ちゃんと決断してから、進んでほしい。それが後悔を少なくする方法だから。
1つ明確に言えることは、夏以降、成績が急落してきた延長線上に一発逆転の道がないということ。だって、今までも頑張ってきたんですから。でもそれじゃあ、穴が出た。ならば、今までの延長線上ではない部分に活路は見いださなければならない。
逆転を狙う人はね。
→ 【お母さんからの相談】思うように成績が伸びず、自信を失くしてしまっている
違う道に保証はないけれど、これまで全然違うことをするんじゃない。習ってきたことをもう1回時間をかけてやり直し、見直し復習するだけ。
4日で30時間作ってやった方が終わってから言われていましたが、1単元1時間はかからなかったと。理科社会26単元は約20時間。残りの10時間で夏休みのテストと入試演習をしたとおっしゃっていました。
子供の顔つきが変わりましたとも。
さて、それが本番まで続くか、本番にどう作用するかは、神様のみ知ること。
ボクたちにできるのは、親子でちゃんと話し合って、最善と思う道を全力でやりきること。
合宿は夏だけじゃない!冬だってやれるのです!
そして、塾だけがやってくれるんじゃない。親だってやれるんです!子供の状態をちゃんと把握できていれば。
あなたのお子さんは夏休みのテキスト、今やったら、全部できますか?
祈りの後に努力なし。誓いの後にこそ努力あり。by浅田次郎