中学受験に向けての勉強が順調に進んでいいない子供の場合
子供にけっこうな負荷がかかる中学受験ですが、塾に通い始めて順調に進む子供とそうでない子供が出てきます。
順調に進んでいる子供の親が考えておくべきことはこちらで書きましたので、ここでは小4の段階、もしくは中学受験の塾に通塾始めてからも順調に進んでいない子供について触れておきましょう。
順調に進んでいない子供とは、
塾の授業があまり理解できていない
授業でやった問題を家でやったらできないことが多い
塾から出される宿題が子供一人では到底できない
テストでは満足いく点数が取れていない
こういう子供たちです。
こういう場合、子供は塾に行きたがらなかったり、家でやる宿題でも「やりたくないな」とか「わからないもん」なんてすでに愚痴っている場合もあるでしょう。
こうした状態が受験生の小6の段階ではなく、小4や小5の段階ですでに出ている場合、
子供が勉強嫌いになる
親子関係が壊れる
子供が自分をダメ人間だと信じるに至る….etc
いわゆる「子供が壊れる」現象に至る前に親が補助者もしくは介助者として介入して早めに処置をしたり、対策を考えてやる必要があるでしょう。そのまま放置すれば「子供が壊れる」現象に至るからです。
順調に進んでいない子供の何を助けてやるのか
では、なにについて親は子供を助けてやったらいいでしょうか?
1つめは「全部やらなくてもいい」というお墨付きを与えてやることですね。すでにこういう状態の子供は勉強に嫌気がさして、勉強を面倒なもの、嫌なもの、わからないものと判断する方向に傾いています。
そうした子供たちに親が「全部やらなくてもいいよ」といってやることは強力な味方の出現と感じることでしょう。その上で、塾のテストにある正答率だとかに関係なく、お子さんの視線に立って、塾の授業でやっているテキスト、宿題を「できる問題」と「できない問題」にまずは分別してやる。
そいでもって「できる問題」をしっかりやらせましょう。
塾のテキスト、宿題であわせて今週の単元で100問あるとするなら、その100問を「できる」「できない」で2種類に分ける。
仮に、分別した結果、
できる問題20問:できない問題80問
となったとしても文句は言わないことです。あなたが子供の味方にならないで誰がなるのかですよ。
「私としては少なくとも半々にするべきだと思う」などという親の勝手な希望や願いをここに入れないことが重要です。真実の姿をまずは把握するのが目的ですから。
本当は100問やらないといけないけれど、できる問題が20問なら、まずはその20問をしっかり頑張らせることです。それでテストを受ければ、ひどい点数になるでしょうが、すでにひどい点数を取っているのですから、まずはこの20問が出たら絶対できちゃうよ!って状態でテストに臨む。これが1つですね。
テストを持って帰ったら、そのやった20問ができているかどうかをチェックしましょう。素点が何点かなんていうのは二の次です。
やった問題ができてたら褒めてやりましょう。やった問題ができていない場合は、どう間違っているのかを確認し、もう1回やらせてみましょう。家でやったときのノートと比べてどう違っているのかを見比べるのも1つの方法です。
まずはできることをやらせて、そのやったことをチェックする、この無理のないやり方で取り組むことです。
→ 【お母さんからの相談】親が何かしてやれることはないだろうか?
100問のうち、20問しかやっていかなければ塾の先生に怒られるというのであれば、親が先生に連絡して事情を説明して許してもらいましょう。
なにはともあれ消化不良になっている今の現状を解決し打破していく、それが必要だからです。
たったこれだけでも変化が起こります。やったらわかるけれど、やれば子供の反応に変化が起こる。なのでまずはやってみてください。
「ちゃんと勉強する」の意味
もう1つ申し述べるとするならば、「ちゃんとやる」とは3回繰り返しやるということです。
消化不良になっている子供の勉強のやり方で一番多いのは、塾のテキスト、宿題であわせて今週の単元で100問やるとして、その100問を一通りやるというやり方をします。そして答えあわせ。今度は間違っている問題だけをやり直しする。
すでにテスト結果が満足できるものでなくなっている子供にとって、このやり方は何も身につかないダメなやり方と断言できます。
テストを見たらすぐわかりますが、たいてい一番からガンガン間違っています。習った単元の基本問題もガンガン間違っています。
テスト結果だけを見れば「お前はいったい何の勉強をしたんだ?」といいたくなるような結果になっているはずです。
そういう子供はたいてい一通り問題をやって答えあわせして、間違っている問題だけをやり直しているやり方をしています。
何が起こっているのかというと、100問を中途半端にやることによって、できる問題もできない、できない問題はもちろんできないという現象が出ているということです。
考えてみてほしいのはこうした現象が4週間続いたとして、4週間後にその4週間分のまとめテストがあったらどうなるか?
壊滅します。中途半端な勉強はな~にも身につかないですから。それが3ヶ月、半年続けば子供も壊れるってもんでしょう。
なので、まずはできる問題だけを3回やってテストに臨む!
100問一通りにやってテストに臨む場合と100問のうち20問に集中して3回繰り返してテストに臨む場合、テストの点数がどうなるかも見てみてほしい。
100問のうち20問に集中して3回繰り返してテストに臨んでも点数は変わらないか、もしくは少しアップするはずです。子供のテストを終えた手ごたえも全然違うことがわかるはすです。
だからやってみて。
→ 【お母さんからの相談】受験まで時間がなく早くなんとかしたい。
本当の意味での勉強をスタートしないと明日はない
もしこのやり方で子供が手ごたえを感じられるなら子供は言うでしょう「今週は30問やるよ」って。
最初は20問からのスタートかもしれないけれど、やった問題の成果のみをテストで問うてやって、20問を25問に、25問を30問にしていったらいい。
金輪際100問あっても20問しかしないって言うんじゃない。次へ次へとつなげていくんです。
そのためのスタートが20問。もちろん子供ができるなら30問からのスタートでもよい。10問だってよい。
困っている子供が目の前にいる親は消化不良でどうしようもなくなっている子供に少しだけ光を与えてやればいい。
中学受験で挫折するのはその問題量の多さに対してです。子供が圧倒されるのは仕方がない。
しかし、親が圧倒されてどうするんですか。
さっさと立ち上がって旗を振り、交通整理をしてやってください。それを子供も求めているんだから。