挨拶は合図ですから
好きか嫌いかと聞かれたら「大キライ」と即座に答えるプロ野球楽天の大久保監督のインタビューをサイトで読んだんですが、大キライだけどすごくイイ部分があったので紹介しておきます。
順天堂大学の小林先生(自律神経の権威といわれる小林弘幸教授)に教わったんだけど、挨拶をすると臨戦態勢が増すというんだよ。
『起立、礼、着席』には意味がある。
ガキの頃、きっと挨拶なんかしなかったであろうオオクボ少年は挨拶の意義を知らなかったらしい。教室での挨拶にも意味がある。これはホント。
ダメな学校ってこの挨拶をした後にダラダラする。本当の意味の挨拶になっていないんです。挨拶をするってことはある種の境界を越えるってことだから。
塾なんかの集団授業ではどこでも当たり前に挨拶をしますが、家庭教師で行っても、タイガー山中は昔から必ず挨拶から始めます。
「ハイ、それでは始めます」
「よろしくお願いします」「お願いします」って、ちゃんとお互いに頭を下げてね。
厳粛な気持ちでやるから挨拶に意味が出る。
だから「そこんとこヨロシク!」なんてガキが言ってるようじゃ、それは真の意味での挨拶になっていないということです。もちろん臨戦態勢にも入らない・・・
こうしたことから親技では家庭学習でも親子で勉強を始めるときは挨拶してから始めたらいいよって何度か書いてきました。
大事なのは、挨拶をするってことは「やるぞ!」「いきますよ!」っていうお互いの合図ってこと。逆の言い方で言うと、お互いがそれが合図だって認識していなきゃ、挨拶の意味が出てこないってことです。
→ 【お母さんからの相談】子供の勉強をそばで見ているが、いつもバトルになってしまう
家庭学習でも必要なのは演出
家でいつもは「ママ~」「タックン」なんて友達同士みたいな会話が当たり前の家なんかでも、この挨拶をして臨戦態勢に入ったら言葉遣いなんかも気をつけて親からの指示も丁寧語でしたり、子供は敬語で答えたりしたらなおいい。
問題をやらせて終わる時も「は~い、終わりよ」なんて言わずに「やめ!」とかいつもと違う口調で言ったり、鉛筆を置くのはノートの上とか、勉強のときのルールやお約束があると、なんか違うぞっていう雰囲気を出せてすばらしい。
なんでも演出だからね。ドラマや映画だけじゃないですよ、演出が必要なのは。
タイガー山中はこれらを総じて「子供にスイッチを入れる」と表現していますが、それは挨拶を終えたら臨戦態勢で臨まなければならないことを意味します。
だから「そうか挨拶すればいいんだ」と挨拶を家庭でするようにしたとしても、
「始めてもイイ?」
「そこんとこヨロシク!」なんて緊張感も何も生み出さない締まりのない挨拶をしてたら、臨戦態勢にはならないし、意味のない挨拶になってしまいます。
そうならないために、ストロング宮迫は「どんな挨拶をするか」より、お互いが頭を下げて「よろしくお願いします」っていうのが一番わりやすいって思っています。
普段、親が子供に頭を下げることってあんまりないと思うんですよ。その親が頭を下げて丁寧に「よろしくお願いします」っていうことで、何か違う、始まるんだ!って感じが出せるんじゃないでしょうかね。
「お前のためにやってやっているんだぞ!」って気持ちが心の底にあったら意外と頭は下がらないものですから。
成績がイイ子の家でも、挨拶して始めない家はたくさんあるけれど、挨拶がなくても、ある場所に座ったらとか、なにがしかの合図で「さあこれから始めるぞ」という感覚を親子供が持ち、臨戦態勢になっている場合が多いです。
勉強をするときにリビングで勉強するときなんかも、いつも子供が座る場所ではなく、勉強のときはお父さんが座る場所に座るとか、同じ場所でもいつもとは違う場所に座るなどして気分を変える、スイッチを入れるようにするといいですね。
イイことはやったほうがいいですよ。でもね、そのイイこともやる場合もその意味や価値がわかっていないと「そこんとこヨロシク!」なんてかえって逆効果になることがあるから要注意です。
→ 【親のノウハウ】親にしかできない勉強の工夫を実践。教育系の雑誌でも親技を紹介されてきました