塾の先生に言われたけど本当なの?
メルマガ新「勉強の常識」を創刊して10年余り、ずっと途切れることなく寄せられる相談があります。
今回はその決着をつけておきたいと思います。
その相談とは、
お母さんが勉強を管理していると子供は伸びませんよ!
自分の中から、今これが必要だとか、これをやった方がいいとか、考えてやっていくこと、結局、それができないと、中学行ってからも、お母さんが付いてなきゃならなくなりますよと。
自分で楽しくやらなきゃ、やらされてるのは、結局頭に入りませんよ。
と言われたが、どうしたらいいだろうかというものです。
中学受験に際して、塾の先生から言われた方は多いのでしょうし、そのようにご自身でも思う方も結構いるのではないでしょうかね。
しかし、私たちが提唱する「親技」では、
親がそばについて勉強することで、
成績は上がりますよ!
って言っている。
本当のところ、どっちが正解なの!?ってわけです。
親は忙しいし、時間もないし、子供のそばにつこうと思っても子供は反抗する、この3拍子が揃った状況で
勉強の管理を親がしていると、
このままずっとしなくてはいけないよ
と言われれば「やっぱそうだよねえ~」と手を放す。
だってそのほうがラクだもんね。気持ちはわかります。「もう中学生なんだから」と何の根拠もない理由で子供の勉強から手を放す親もいる。
で、結局子供の生活全体で大きな割合を占める勉強はどうなったのか?
ここに注目すべきであると、私たちは考えるのです。
自由にさせたら、もっと勉強しなくなった・・・
残念ながら、これが現実です。
子どもたちは無限の可能性があるのに残念だな・・・と私は思います。
勉強ができる子とそうでない子の違い
ただね、塾の先生が言う
自分の中から、今これが必要だとか、これをやった方がいいとか、考えてやっていくこと・・・
自分で楽しくやらなきゃ、やらされてるのは、結局頭に入りませんよ。
これは、
勉強ができる子だけに再現されています。
勉強ができる子はそうなっている。
という事実は、親は知っておくべきだと思います。
現に、勉強ができない子供にとって、これらが絵空事であることに気づいている親の方もいるでしょう。
だって「なにがわからないかもわからない」子供が自分になにが必要で、なにが必要でないかなんてわかるはずがないし、優先順位なんて決められるわけないんだから。
「楽しくやらなきゃ、頭に入りませんよ」は本当だけど、今勉強が成績不振でよくわからない、楽しくない子供は永遠に楽しくはならないでしょう。
じゃあ、そういう塾の先生に「ウチの子に勉強の楽しさを教えてくれるのか?」と問えば、答えは「ノー」なんだな、これが。
「授業をしっかり聞いてくれればわかりますから。楽しくなりますから」
とか
「復習をしてもらえれば大丈夫です」
とか言う訳です。
特に、成績不振の子供を持つ親に
お母さんが勉強を管理していると子供は伸びませんよ!
自分の中から、今これが必要だとか、これをやった方がいいとか、考えてやっていくこと、結局、それができないと、中学行ってからも、お母さんが付いてなきゃならなくなりますよと。
自分で楽しくやらなきゃ、やらされてるのは、結局頭に入りませんよ。
こういうことを言う先生は、独身だったり、小学校高学年や中学生の子供を持っていない先生だったりして親の気持ちがわからない先生だったりします。
本当の事情がわかりもしないのにムードや雰囲気で言って欲しくないわけです、そういう口当たりのいいことを。そう言われて、信用して、本当は今手助けが必要な子供から親が手を放して落ちこぼれたり、自信を失った子供がどれほどいるか・・・
私が言いたいことはカンタンで
自己肯定感をもって取り組めるようになるまで、管理や手助けをしてやった方がいい
ということだけです。
どこまで親がやるかのレベルは家庭内の価値観もあるだろうし、目指すところで違ってきます。
私たちが提唱する「親技」では、子どもの頑張りはそのままで、親の頑張りで成績を上げるノウハウを紹介しています。
興味のある方は、一度参考になさってみてください。
親が何にもしないで塾に放り込んでやれば、子供の力だけでスイスイ言ってしまう子供もいます。全体の2割です。こういう子供だったらラクでいいよぅ。
ただこの全体の2割を占めるラクチン子供も中学受験は通り抜けても、中高一貫校の厳しいカリキュラムになって脱落者が出る。今まで塾に行かせてたら自分でスイスイやってから、勉強で困ったときに親は子供を助けるノウハウがない。ゆえにあっさり脱落します。
この2割の中のさらに2割だけがうえのステージに行ってもスイスイ自力で行ける子供たちです。
中高一貫校に行った連中が大きな壁にぶつかるのが中3なら、公立中学に進んだ子供たちがぶつかるのが高1の壁です。いずれも高校内容の勉強や量にぶつかったときにふるいにかけられるわけですね。まさに1つの上のステージです。
高校になってからの4つの道がある
この高1の壁にぶつかって脱落する子供は、その手前で脱落するのがわかります。
「そんなやり方してたらダメだよ、上に行って通用しないよ」
っていうことをやっているから。
でも、親にはスイスイいっているように、順調なように見えるんでしょう。でも、通用しないものはやっぱり通用しない。
考えないといけないのは「できているのかできていないのか」と「そのやり方がどうなのか」ってことです。
道は4つ
- 今勉強はできているし、やり方もイイ
- 今勉強はできているが、やり方はダメ
- 今勉強はできていないが、やり方はわかる
- 今勉強はできていないし、やり方もわからない
この言葉は
自分の中から、今これが必要だとか、これをやった方がいいとか、考えてやっていくこと
自分で楽しくやらなきゃ、やらされてるのは、結局頭に入りませんよ。
全員に当てはまるわけじゃない。
あえてこの言葉を当てはめるとするなら、言ってもいいのは「今勉強はできているし、やり方もイイ」この連中だけでしょう。
この連中「今勉強はできているが、やり方はダメ」の子供に行ったら、1つの上のステージに行ったら半分以上はついていけない。ましてや「今勉強ができていない」子供に優先順位や勉強のやり方を考えろなんて「お前明日アイスリンクで3回転ジャンプをしてみろよ」って言うのに匹敵します。
できもしないことを気合ややる気で「できるできる」「やればできる」と念じてやらせる人は頭がおかしいですな。
「楽しくやる」ためには、「できない」と楽しめません。
当然でしょう。
復習するのが地獄になる理由はコレ!
この前、タイガー山中が会員さんにメールの返信をしていましたが、受験生がやっている入試演習だって、どこかの学校の入試問題をやってみたら100点満点で50点だったとすれば、直しが50点分あることになります。
それをやれる時間があるのかっていったらないですな。
100点満点で70点取って、30点分の直しだってできない可能性が高い。
だったら
「100点満点で90点取れる問題をしたらいいのに!」
とタイガー山中は言っています。だったら直しは10点分。ちょっとで済むし、子供も「すぐやる!」って言うでしょう。
過去問演習で90点取れる学校は偏差値で言うと40くらいの学校ですと不満に思うかもしれませんが、時間内に全然解けないで、見直しもできない偏差値55の学校の入試問題を子供にやらせて、その使った時間でなにを得るんですか? 子供に何の得があるんですか? それをしてたら2か月後に偏差値55の学校の入試問題が解けるようになるんですか?ってことです。
そうなる!というのであれば、やったらイイ。でも、ウチの子にはやらせない。そうならないからね。
勉強ができる子供は復習1つを取ってもラクなんです。ちょっと復習すればいいからね。
でも、勉強ができない子供は復習だって地獄です。できない問題ばかりがいっぱいあるんだから。
だから、とにかく「できる」「わかる」となれるようにしてやれ。親が引っ張ってでも引き上げてでも、ますはそこでしょう、って言っているわけです。
親が引っ張ってでも引き上げてでもっていうと、なんかおどろおどろしくて、イヤな感じがするけれど、メチャクチャな無理なやり方でやってたら1週間後には子供がそっぽを向くようになる。
もし、親が協力してやる気であれば、さきほどもいったけど子どもの頑張りは今のままから始めて欲しいものです。
興味のある方は、一度参考になさってみてください。
自分で考えて勉強する子の例
中高一貫校の子供が中2の夏までの定期テストの勉強は頑張って全教科3回繰り返して臨んでいた。当然成績はイイ。
でも、なんか内容も難しくなって量も増えてとてもじゃないが、3回やるのはかったるくなった。
なので、2回の繰り返しで臨んでみた。あれれ、点数も順位も維持か、前よりも良くなったぞ!
なんでなのかと考えた。
「ああ、ノートの取り方を変えたなあ」
「授業の受け方を今まで以上に真剣にやった」
そう言ってました。
「できる」と「わかる」に「イケてる」が加わった子供は、もっとラクしてこの点数が取れないかなあと「考えられる」。
中3では科目によっては1回だけ解いて臨んでも同じ点数が取れることがわかった。1回じゃダメな科目があることもわかった。特に数学は1回だけ解くだけでテストに臨んだら、テスト時間内に問題が終えられないか、終えるとすれば相当なスピードでやらなければならないことがわかった。無理なスピードでやるとミスが起こる。それで80点台になることが多かった。
スピードをつけるのに前のように3回やるなどして時間を計って繰り返す必要があるなあ。
でも、時間がかかるし、面倒だし、何とかラクしてできないかなあ。
そうだ、授業中に極限まで無駄のないやり方を学んで考えよう。
それじゃあ解くスピードはそれほど上がらなかったけれど、ミスが減って80点台後半か90点台が出るようになった。
この子は、
自分の中から、今これが必要だとか、これをやった方がいいとか、考えてやっていくこと
自分で楽しくやらなきゃ、やらされてるのは、結局頭に入りませんよ。
を自分でやっていますよね?
なんでできたのか?
そりゃあ「できる」と自信を持っているからだし、成績を維持したいというプライドもあるから。
それは以前から? 答えはノーです。
中2の夏までは親が3回やらせていたんです。
でも、もうこのやり方には限界がきていることを子供がわかって、2回でやってみたいと親に言ったんです。
内申点がない中高一貫校の利点をここで生かして「じゃあ試してみなさい。でも結果は問うよ」ってはじめたことがこうなっていったんです。今では勉強も親の手を離れ、自分でやっている。高校の壁も自分で乗り越えた。
たとえばこうした過程を知った上で、
自分の中から、今これが必要だとか、これをやった方がいいとか、考えてやっていくこと
自分で楽しくやらなきゃ、やらされてるのは、結局頭に入りませんよ。
こう言っているのか?
そうじゃないと思いますね。
まあ、どういう選択をするにしてもそれはあなたの自由ですから、誰からも何の強制もありません。あなたが決めてください。
はっきりしているのは「できる」「わかる」「プライド」が続けば、子供は勉強を自分でやりたい、もしくは、やるようになります。
親はその手前の「できる」「わかる」を実現できるように手助けしてやったらイイ。それが維持できれば「プライド」がでてきますから。
もし、これを我が子に
自分の中から、今これが必要だとか、これをやった方がいいとか、考えてやっていくこと
自分で楽しくやらなきゃ、やらされてるのは、結局頭に入りませんよ。
ということを本当に施してくれる塾があるなら、今すぐ入れたい!高くても入れたい!
だって大変だもの、子供の勉強を見るのは・・・
それでも、
親が何かしてやれることはないだろうか?
という考えの方には、ぜひとも「親技」を実践して見て欲しいものです。